今年で5回目を迎える「日遊協 全国クリーンデー」。その企画・運営は、「日遊協 社会貢献・環境対策委員会」という、日遊協の会員企業より派遣されたメンバーにより構成された委員会が行っています。
委員会では毎年、全国の会員に全国クリーンデーへの参加を呼びかけると共に、様々なサブイベントも企画・開催してきました。2018年の第1回全国クリーンデーでは、2020年東京オリンピックに向け港区が開催した「東京ベイ クリーンアップ大作戦」への団体参加、および環境問題の専門家をお招きしたセミナーを開催しました。また2019年の第2回全国クリーンデーでは、東京の上野公園およびその周辺にて、パチンコファンと業界関係者が協力して清掃活動を行う「パチンコ・パチスロファン スポGOMI大会in上野」を開催し、多くのパチンコファンおよび業界関係者の方にご参加いただきました。2020年の第3回、2021年の第4回では、コロナ禍のためサブイベントを中止せざるを得ない状況となりました。
今年、第5回全国クリーンデーを開催するにあたり、新型コロナウイルス感染拡大の防止を鑑み、過去2年と同じくサブイベントを中止させていただきましたが、コロナ禍においても可能な委員会としての取組みを模索した結果、委員が全国クリーンデーに参加する会員の活動を取材し、具体的な全国クリーンデーでの活動内容、更にはその会員企業の社会貢献・地域貢献に対する考え、普段の活動などを紹介・発信することにしました。
こうした取材や発信活動を行うことで、地域における会員企業の清掃活動、さらには地域・社会貢献への取組みや考えなどを広く知っていただくとともに、日遊協としての環境意識、地域・社会貢献意識の啓蒙を進めることができればと考えています。
まず今回のVOL1記事では、東京都東村山市の株式会社山水様の店舗「パチンコ大学」における、第5回全国クリーンデーでの活動の様子、地域・社会貢献に関する取組み・考えについてご紹介します。
9月1日(木)、東京の池袋駅から西武池袋線の電車に揺られること約20分、東京都東村山市にある久米川駅にやってきました。北口側には新青梅街道が走り、南口側には商店街が広がります。
久米川駅南口を出て左手、商店街の入口に、今回の取材企業である(株)山水の「パチンコ大学」があります。
向かって左側がパチンコ大学A館、向かって右側がパチンコ大学B館です。
(株)山水では、第5回全国クリーンデーへの参加にあたり、少し変わった形式を採用しました。それは、単にスタッフがお店の周りを清掃するのではなく、スタッフを2チームに分け、拾ったゴミの量で勝負するという対戦形式です。余談ですが、勝ったチームの昼食は特上カルビ弁当、負けたチームはおにぎり。両チームとも、目の色が変わりました(笑)。ちなみに、どちらも地元の飲食店から購入されていて、これは地域との共生を目指しているのでご飯も地元からとのことでした。
チーム戦で競いながらゴミ拾いを行う形式は、「ゴミ拾いはスポーツだ!」をコンセプトに一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブが展開する「スポーツゴミ拾い(スポGOMI)」が有名です。(https://www.spogomi.or.jp/)
実は(株)山水では、店舗のある東村山市や東久留米市において、市や教育委員会の後援のもと、2012年10月より地域貢献の一貫として、市民参加型のスポGOMI大会を開催しています。そこで今回の第5回全国クリーンデーの活動も、慣れ親しんだスポGOMI形式にしたわけです。
A館チーム(黄色)の4人とB館チーム(オレンジ)の4人が、ゴミ袋とトングを手に店舗を出発!
商店街や駅前、歩道の茂み、自動販売機の周りなど・・・
踏切の近くは、踏切待ちの人が捨てていくからでしょうか、特にゴミが多いですね。
また、柵の内側など、あまり目立たない場所ほどゴミが多いようです。
スタッフの皆さん、歩行者や自転車、自動車の邪魔にならないよう、常に周囲に目を配りながら清掃していましたが、 地元の方とすれ違う際には必ず挨拶をしています。いやあ素晴らしい!
また、突然地元の方がスタッフに話しかけてきたのでビックリしましたが、どうやらお店の常連様だったようです。
駅前でも別の方が「偉いね~」と話しかけてきました。普段の営業だけでなく、こうした清掃活動もまた、地域との共生につながっているのでしょうね。
60分の清掃活動を終え、拾った大量のゴミと共に両チームとも店舗へ戻ります。
計量の結果・・・
パチンコ大学A館:燃えるゴミ1kg びん・缶0.9kg プラ・ペット1.3kg タバコ吸い殻0.1kg 合計3.3kg
パチンコ大学B館:燃えるゴミ8kg びん・缶2.5kg プラ・ペット0.3kg タバコ吸い殻0.01kg 合計10.81kg
結果は、パチンコ大学B館チームの勝利となりましたが、両チーム合わせて約14kgのゴミを拾うことができました。
スタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした!
最後に、スタッフの皆さんから一言いただきました。
「拾う人は捨てない。東村山から日本をキレイに!」
清掃活動の後、福地専務、八木澤A館店長、石田B館店長の3名にインタビューさせていただき、地域・社会貢献に関する取組みについてお聞きしました。
福地専務
八木澤店長
石田店長
(株)山水といえば、公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授が提唱する「けんぱち」が有名です。
2008年、(株)山水の新組織として、「けんぱち」を推進するチームとは別に、地域・社会貢献活動を推進するチーム「企業市民課」が誕生しました。この「企業市民課」が中心となり、店舗のある東村山市および東久留米市において様々な社会貢献活動を行っています。
こちらは前編で触れましたが、2012年より地域貢献の一貫として、東村山市および東久留米市において、市や教育委員会の後援のもと、市民参加型のスポGOMI大会を開催しています。小中高大の学生チーム、商店街チームや郵便局チームなど、多くの地元の皆さまが参加しています。ここ数年はコロナ禍により中止が続いていますが、再開が待たれるところです。
2019年より、東京都学童軟式野球大会の新人戦として、「山水カップ」を開催しています。
地域貢献として、夢や目標に向かって頑張っている子供達を応援する活動です。
宮崎駿監督の映画「となりのトトロ」ですが、東京と埼玉にまたがる狭山丘陵が舞台のモデルの一つになっています。
1990年より公益財団法人「トトロのふるさと基金」が、狭山丘陵の自然を守るために基金を創設し、森を少しずつ買い取り「トトロの森」と名付けて守っています。この「トトロの森」の保全活動に定期的に参加しています。
久米川駅南口、八坂駅周辺の夏の風物詩「久米川阿波踊り」にボランティアとして参加しています。主催する久米川阿波踊り実行委員会の皆さまと共に、進行係や警備(人や車の誘導等)などを行っています。
余っている食品やお菓子を、様々な事情で生活が困難な地域の方々にお届けする「フードドライブ」活動や、子供食堂に協力しています。
(株)山水では、地域との共生を目的とした様々な社会貢献活動を行ってきましたが、こうした活動の拠り所となる「企業としての考え・方針」を、現在「SDGs宣言」としてまとめています。さらに、単にSDGs宣言をまとめるだけでなく、全ての従業員やスタッフが内容をしっかり理解・共有し、全員一丸となって地域に愛されるお店づくりをめざしていくとのことです。
今回の取材で印象に残ったことをまとめてみます。
当社も現在、サステナビリティやSDGsへの取組みを推進していますが、同じパチンコ業界の他企業における考えや取組みに触れることができ、非常に刺激を受けました。こうして会員企業の考えや取組みをご紹介することで、ご覧になった皆さまの何かしらヒントにつながれば幸いです。
(取材委員:ダイコク電機株式会社 後藤賢也)